2020年7月15日水曜日

和包丁の柄(差し柄)の交換方法

1 はじめに

包丁を濡らしたままや、湿気の多いところに放置すると包丁全体が錆びてしまいます。

図 1 今回柄を交換する包丁 

もちろん、柄の中の金属、中子も錆びて膨張して柄が割れたり、隙間が開いたりしてしまいます。
包丁全体が錆びた際や柄が割れてしまったときは、
包丁についた錆がもっと深く進行する前に早めに修理しなくてはなりません。

図 2 割れている柄


今回は、和包丁の修理として、柄の交換を行います。


2 包丁の柄の種類


包丁の柄には大きく分けて和包丁、洋包丁、一体型の3種類あります。
和包丁は包丁の中子を柄に差し込むもので、ナイフで言うとナロータング型です。
洋包丁は包丁の中子を柄に挟むもので、ナイフで言うフルタング型やハーフタング型です。
一体型は柄が金属でその金属に包丁本体と一体になっているものを指します。

和包丁の柄は包丁の種類と長さによって異なります。しかし、包丁の種類と長さによって、柄の長さや太さが決まっています。
また、柄の形にも違いがあります。
おおむね、出刃包丁は小判型。その他の包丁はくり型となっています。
小判型の場合は、柄の穴は峰の方が大きくなっています。
また、くり型の場合は、とがっている方が右利きの人は右側に来るように取りつけます。


3 準備

①新聞紙等
②金床、ブロック等の台座
③木づち、金づち
④のみ
⑤ガスバーナー、ガス台
⑥木工ボンド
⑦予備の柄もしくは同じくらいの木片
⑧交換用の柄

実際以下の部品で交換できました。
図 3 使用した道具等 


4 手順

4.1 柄を取る前

包丁は刃物なので刃が付いていないとしても安全のために新聞紙等の紙を巻きます。

図 4 刃の部分に新聞紙を巻く 


4.2 柄の取り外し

柄の部分を予備の柄もしくは同じくらいの木片を当てて木づちでたたくことで徐々に外れます。
しかし、今回のように柄が割れているときは中子が錆で膨張して外れない可能性もあります。その時は、たがね、のみなどを用いて柄を割って取り外します。
口輪の部分をに関しては、プラスチックならのこぎり等で切り取ります。
水牛の角系はハンマーでたたいて割ります。

柄が取り外せたらしっかり中子が錆びているのが確認できます。

図 5 柄を取り外した状態


 

4.3 さび落とし

中子のサビを金槌でたたき、大きいものを落とします。

図 6 大きい赤さびを落とす前


金槌で大きいさびを大まかに落としても、赤さびが残っています。残りの赤さびは金やすりで落とします。

図 7 大きい赤さびを落とした後

黒錆は残っていますが金属を腐食するものではない(酸化被膜)ので、柄から見える部分を除きここで終了です

図 8 赤さびを落とした後


4.4 柄の取り付け

中子をバーナー、やガスコンロの火でなどで焼きます
柄には向きに注意しつつ、焼いた中子を柄に刺し入れて下さい。
中子がやせてしまっているようなときは、柄の中にボンドを入れてから中子を刺し入れます。
図 9 柄を交換した包丁 

あとは、余ったボンドをふき取り、1、2日そのまま置きボンドが固まれば柄の交換は完了です。 

5 参考


i)「和包丁の柄(差し柄)の交換方法」
https://mitusaburo.com/togisho/houtyonotisiki/1372.html
アクセス:2020/07/14

ii) 「包丁の柄」の種類について
https://www.rakuten.ne.jp/gold/jikko/pro/handle.htm
アクセス:2020/07/14 


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