恩師が片づけで廃棄する(?)予定であった。Red Pitayaという謎めいた赤いドラゴンフルーツを頂いた。(Pitaya=ドラゴンフルーツ)このドラゴンフルーツはフルーツでなく、計測器です。
Red PitayaはKickstarterというクラウドファンディングより生まれた計測ボードです。
オープンソースの測定、制御ツールであり、実験装置に代わりになるそうです。アプリを新たにインストールすることで手軽に機能を追加することも可能です。ボードではLinuxが動作しており、その上でWebサーバが稼働しているため、このWebサーバにアクセスすることでWebブラウザから計測結果をリアルタイムに確認することができます。サイズも手のひらに収まる大きさで、どこでも他のPCやタブレットといったデバイスからアクセスして計測が可能になります。最近の潮流にのった新たな形の計測デバイスであるといえると思います。
今回はWindowsでの場合を例にセットアップしていきたいと思います。
◆Red Pitayaとは?◆
Red Pitayaはオープンソース型計測機器で、高価な装置の代わりになるようにと開発されました。
この強力なツールは、さまざまなアプリケーションの発見、体験、学習、開発、共有を容易にするシステムの根幹に当たるものがRed Pitayaです。
また、Bazaarは、オープンソースアプリケーションをワンクリックで利用して、使用できます。最初は以下ものが利用できます:
・オシロスコープ
・スペクトラムアナライザー
・オシロスコープ&任意信号発生器
Red Pitayaは、アプリケーションを変更するだけであらゆる計測器になります。オシロスコープやスペクトラムアナライザーなどの手軽に利用できます。
主要な仕様
アナログ:
・入力チャンネル:2
帯域幅:50 MHz(DC結合、3dB BW)
サンプルレート:125 Msps
ADC分解能:14ビット(LTC ADC)
入力インピーダンス:1 MOhm // 10pF
入力チャンネルゲイン:固定(ダイナミックレンジの改善による) 14ビットの粒度)
デフォルトのフルスケール電圧:+ -0.6 V(+ -6 Vで10倍のプローブ減衰)。ディスクリートコンポーネントの交換によりフルスケールで再構成可能(+ -15V)。
過負荷保護:保護ダイオード
コネクタタイプ:SMA
・出力チャネル:2
帯域幅:49 MHz(3
dBでDC結合、3 dB BWはアンチイメージングフィルターで定義) サンプルレート:125 Msps
DAC分解能:14ビット
インピーダンス:50オーム
フルスケールパワー:10 dBm(50オーム負荷)
出力スルーレート:200 V / us
短絡保護:はい
コネクタタイプ:SMA(「Diagnostic Red Pitaya Kit」で利用可能なSMAからBNCへのアダプタ)
・その他の接続:100 Mbイーサネット、USB、USB OTG(2.0)、JTAG、I2C、UART、SPI ...
◆セットアップ◆
①ハードウェアの接続
参考,引用:RedPitaya セットアップ レビュー
Red Pitaya はLinuxのデータ等がMicro SDカードをストレージとして保存されています。
FAT32でフォーマットした32GBを超えないMicro SDカードを用意してください。こちらからMicro SDに書き込むイメージをダウンロードし、ダウンロードされたZipファイルを解凍してください。Zipファイルを解凍した中身のファイルをすべてMicro SDカードにコピーします。
このMicro SDカードを Red Pitaya のMicro SDカードスロットに向きに注意して挿入します。
SDカードを入れたら、上側のUSBは2A以上のUSB電源として、下側のUSBにはPCとのシリアル通信として、LANは適当なポートに接続します。
今回LAN接続はダイレクトでなく、有線LANルーターを使用して接続しました。
②シリアルコンソールによるPCとの接続
参考,引用:RedPitaya セットアップ レビュー
Red Pitayaでは、イーサネットとは独立して、シリアルコンソールを利用することができます。ブート時のステータスの確認や通常のコマンドライン操作が可能で、必須ではないですがうまく動かないときの検証などに便利です。今回のようなうまういかない時は利用するといいでしょう。シリアル接続のパラメータは次のようにします。
参考:Tera Term
③Red Pitayaに電源を投入(ハードウェア)
①の準備の後、2A供給可能なUSB電源と Red Pitaya の電源用のMicro USBポートを接続すると、 Red Pitaya が起動します。うまくいっていれば、基板上の青と緑のLEDが点灯し、オレンジのLED0が点滅するはずです。
④Red Pitayaに電源を投入(Tera Term)
接続に成功すると、画面に
Red Pitaya GNU/Linux/Ecosystem version 0.92-378
redpitaya>
と表示されます。通常のLinuxコンソールも利用できます。
◆Red Pitayaのアプリを使ってみる◆
デフォルトの状態で、Red Pitayaに接続すると、オシロスコープ、オシロスコープ&シグナルジェネレータ、スペクトルアナライザの3つのWebアプリケーションが確認できるはずです。今回、簡易的に動作テストを行うため、Generator & Oscilloscopeを利用しました。
プローブをIN1とOUT1アナログ端子に接続します。プローブを下の写真のようにつなぎ生成した波形を直接入力できるようにします。
オシロスコープの設定は、まず、左上のChannel 2ボタンをクリックして、Channel 2の必要ない波形を消します。Triggerの設定項目のSource: Channel 1 、Mode: Normal 、Edge: Rising 、Level: 0 Vとします。これで0Vでの立ち上がりを基準に、波形を固定できます。Rangeの設定項目でX axis: 2ms 、Y axis: 2V に設定すると下の画面のように波形を表示できます。
波形を確認するときちんと1ms周期の方形波になっていることがわかります。(マイナス方向のゲインがおかしいけど。)
Red Pitayaを計測器として、作り上げるにしても直接信号を入れるのは、保護回路があるとはいえ、個人的には怖い。あと、出力部分も負荷をひき過ぎた際動作が安定しなくなると思われるので、入出力ともにステアリング回路を考えます。
どのようなステアリングをするかは以下のように考えています。
・入力部分は未定。(オペアンプバッファとダイオード保護+α?)
・出力部分はバッファ回路。
せっかくいただいたものなので、家にある計測器の代わりになるぐらいには仕上げていきたいと思っています。
「VS410A,MHS-5200A-25M,8040,PicoScope2104,」
http://rp-f00ab0.local/
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