1.
はじめに
最近OCを手軽にできるCPUはAMDのイメージがある。それでも、BIOS より操作を行うことによるハードルの高さや条件を変えるごとに再起動が必要で正直普段使いするPCでは使うことはあまりないだろう。
AMD Ryzen CPUはそのハードルの高さを下げるツール『AMD Ryzen master』を公開している。『AMD Ryzen
master』はWindows上でオーバークロック設定が可能なAMD純正専用OCツールです。本ツールはRyzen CPUのオーバークロックが公式にサポートしているチップセットはX***、B***のチップセットが搭載されたAM4マザーボードとRyzen CPUやRyzen APUを組み合わせた場合のみとなっている。
今回は『AMD Ryzen master』の使い方とベンチをレビューしていく。ベンチ環境には、リテールファンを用いている。
リンクは以下の通り。
公式DL:
マニュアル:
クイックリファレンス:
2.
周波数変更方法
AMD Ryzen masterを起動させると初めにこの図1が出てくる。
左にある、「Creator Mode」,「Game Mode」「Profile1」「Profile2」のいずれかをクリックする。そうすると図2のような画面が表示される。
これを図3のようにmanualに変更することで、AMD Ryzen masterから周波数や電圧を変更することができるようになる。
周波数や電圧を変更完了したら、Applyで設定が反映される。(※図4)
正しく周波数や電圧が反映されているかをAMD Ryzen master のHomeで確認できる(※図5) 無論、タスクマネージャーでも、周波数は確認できる。
(このとき、周波数に対して電圧が低いと動作不安定で強制終了することがあるので注意。)
また、私の環境で、たまにmanualが聞かない時があるのですがなぜだかわかりません。スリープ後に起きている気はするのですが…何かご存じの方いらっしゃいましたらコメントよろしくお願いいたします。
図1 初期画面
図2 Profile2画面
図3 manual変更
図4 Apply
図5 設定反映後のHome画面
3.
リテールファンでRyzen3800XどこまでOCで来るか?
ここで、今回の本命のリテールファンでRyzen3800XどこまでOCで来るか?をやっていきます。
評価環境は以下の通りです。
表1 評価環境
OS
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Windows 10 Pro 64-bit
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ケース
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CM Q300L
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MB
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B450M Steel Legend
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B450M
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CPU
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Ryzen 7 3800X
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CPUFAN
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Ryzen 7 3800X(リテールファン)
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メモリ1
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F4-3200C16D-16GGTZRX(DDR4-3200 8GB)
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メモリ2
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F4-3200C16D-16GGTZRX(DDR4-3200 8GB)
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電源
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OWLTECH EVEREST 85 PLUS 720
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720W
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グラボ
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ZOTAC GTX750Ti-2GDDR5 R1
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GTX750Ti
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ストレージ1
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Samsung SSD 850 EVO 250GB
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SSD 250GB
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ストレージ2
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TOSHIBA DT01ACA300
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HDD 3TB
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評価ソフトはCINEBANCHを用いた。
評価方法は、CPU電圧を1.1Vで動作周波数を3.0GHzから上げていき、CINEBANCH中に強制終了したら、CPU電圧を0.1V上げ、周波数を上げる繰り返しを行った。
このときの評価結果を表2,図6に示す。
1.3V,4.3GHzまで動作していたが、1.3V ,4.4GHzでは、電圧が低くCINEBANCHを走らせたと同時に強制終了となった。
1.4V4.4GHzにおいてはCINEBANCHを走らせることはできたが落ちてしまった。これは、AMD Ryzen masterで温度を監視していた際、90℃になったと同時に落ちたため、安全装置が走ったと考えられる。
表1 Ryzen3800X+リテールファン評価結果
1.10 V
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1.20 V
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1.30 V
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1.40 V
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3.0 GHz
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3337
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3373
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3.3 GHz
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3780
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3688
|
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3.6 GHz
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4149
|
4079
|
||
3.9 GHz
|
4508
|
4455
|
||
4.0 GHz
|
4551
|
4550
|
||
4.1 GHz
|
4659
|
|||
4.2 GHz
|
4794
|
4643
|
||
4.3 GHz
|
4892
|
|||
4.4 GHz
|
強制終了
|
強制終了
|
||
4.5 GHz
|
表6 Ryzen3800X+リテールファン評価結果
4.
終わりに
今回の結果より、1.3V,4.3GHzまではリテールファンでベンチを取ることはできたが、1.4V4.4GHzではベンチを取ることができなかった。しかし、1.4V4.4GHzの環境で動作させることはできることから、冷却環境を見直して走らせることが可能であると考えられる。
また、Ryzen3800Xのリテールファンは定格動作をさせる分には充分な性能を有していることが解った。
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