2020年5月15日金曜日

ASRock Desk Mini A300 (BTO:G-GEAR GS5A-A193T/SP1 )(購入レビュー)

2020年初頭より新型コロナ(COVID-19)が流行。ステイホームWeek(GW)明けにはゲノム解析も進んでいるようである。[1]
でこの調子で新規患者が減ってくれれば[2]、夏季休暇までは社会も安定してくれるだろうと考えている。
また、新型コロナの影響で外出自粛などでネットショッピングに手を出す方もいるのではないか。スマホで充分という見方をすればそれまでだ。
しかし、このような時こそ新たなものに手を出すべきだと思う。幸いなことに特別定額給付金で一人当たり10万円の給付金が出る。
今後家計が厳しくなるので、そこに充てるのもいいと思う。だが、それで終わらせてしまうのは勿体無い気もする。まとまったお金が手に入り、時間もあるときこそ、自己投資をするべと私は考えている。
そこで、今までパソコンにあまり触れていない家族に、パソコンを使ってもらうために今回パソコンを購入した。

以前、自作PCの記事も書いている著者が自ら作らないのか。

答えは、
「パソコンになれていない人が触れる他人のパソコン。」
のためである。

自分の手が届く範囲のパソコンであっても、自分が触れるパソコンでないと、何か起こった際対処が非常に難しい。
確かに試行錯誤し、解決しようとするなら何とかなる。しかし、実際はそこに至るのは難しい。
そのようなときはBTOのようなものに頼るのがいいと思う。

Mini-STXベアボーン「ASRock Desk Mini A300」を選んだ経緯

ベアボーンPC自体は自作パソコン同様、CPUの性能やメモリ、HDDの容量を予算や用途に合わせて選ぶことができるなど、メーカー製のパソコンよりも自由度が高い一方で、一般的な自作パソコンよりも小型のパソコンが製作できる。
逆のことを言えば、「分解メンテナンスが行いやすい。」「アップグレードがしやすい。」「不要になった際、分解してメンテナンス部品として使える。」などメリットがある。
もちろん、小さいので拡張性の限度や重い処理には向かないなど、注意するべき点はあるが、サブPCとしては充分な性能を引き出すことは可能と考えられる。
インテルやASUS,ZOTACなど選択肢も多い。
その中で「ASRock Desk Mini A300」を選んだかというと、以下の通りである。

ベアボーンの中でも少し大きい。
②近い価格のストレージの拡張性が他のベアボーンより多い
③カスタム性がいい。

ベアボーンの中でも少し大きい。
少し大きいというのは、メリットでもありデメリットにもなりえるが、ベアボーンのようにもともと小型にできているものに対してはメリットになることもある。
ディスプレイの裏に取り付けるのであればサイズがいくらか制限される。しかし、ディスプレイに取り付けるのでないのであれば、いくらか大きいメンテナンスがしやすいのも選択肢の1つであると言える。

②近い価格のストレージの拡張性が他のベアボーンより多い
→サイズが近くて拡張性があるベアボーンとして、ZOTAC ZBOX ER51060 Plus のようにグラボを搭載している上、拡張性のあるものは値段が高い。しかし、グラボを必要としないのであれば、ASRock Desk Mini がいいだろう。

③カスタム性がいい。
→①の内容と一部重複するがASRock Desk Mini はメモリは二枚させ、ストレージは2.5インチとM.2、M.2Wi-Fi、CPUファン、CPU、追加USBスロットが変更できる。

これ以外にも私的な内容になるが、ASRock Desk Mini A300」でパーツ選定をやったこともあるので、親近感が湧きやすいというのも選んだ経緯である。


購入レビュー

今回はBTOなのですぐ動かせるようにマウスとキーボードも併せて揃えました。

PC:ASRock Desk Mini A300 (BTO:G-GEAR GS5A-A193T/SP1 )

マウス:M-BT12BRPN (ピンク)


キーボード:TK-FBP102WH〈ホワイト〉


今回、このパソコンはリビングPCをイメージして選定したので、
入力端末は無線でなおかつ切れにくいBluetooth接続としました。

筐体チェック

ASRock Desk Mini A300のMini-STXは140mm×147mmと成人男性の手のひらサイズより少し小さい。
仕事で使っている、HPと比較しても小さい。
仕事のPCをASRock Desk Mini A300にしたい。(運搬も鞄に入れても余裕があり、軽いので楽。)

クリアファイルと比較。

付属品はWi-Fiのアンテナ、ACアダプタ、M2固定用のネジが同梱されています。

前面には電源スイッチ、USB 3.0のType-AとType-C端子、オーディオジャックが配置されています。

背面には、DC端子、Display Port端子、HDMI2.0、D-sub、有線LAN、USB Type-A×2が配置されています。

今回はIOに関しては基本Bluetoothで操作するので、表示部分のHDMIのみしか接続しない予定。

ソフトウェアチェック

OSはWindows10 Homeが搭載されている。
最低限のものしか入っていないで有名なツクモBTOセットアップでいらないアプリのポップアップが出てこないのでセットアップも早い。

OSはOEM版なので何かと制限はあるかもしれない、状況に応じて通常版を買うこともあるだろう。
おおよそ確認できたので、アップデートを行う。

ベンチマーク確認

新しいPCをセットアップしたら、Cinebench20チェックをおこなってみました。
アプリストアからCinebench20[3]をインストールができます。
以前、計ったCPUと比較して、古いi7(3400G)より高い。

ブラウザを扱う分には充分すぎる性能だろう。
また、YouTubeの視聴も苦にならないだろう。
結果的には値段相応といえるだろう。
(というより、会社で使っているPCより性能いいのですが。)

まとめ

ASRock Desk Mini A300に関しては自ら組み立ててもいいが、BTOで購入してもいい商品といえるでしょう。
特に、ツクモの「G-GEAR GS5A-A193T/SP」に関しては他社様のD社やA社よりも安くスペックも高い。
いい意味で消費をいつも裏切ってくる。無難+αのものをいつも求めている自分としては頭が上がりません。
それより、Bluetoothのマウスやキーボードが使っていると切れるのですがなんでですが?

セットアップした感想として、ブラウザーの反応も抜群で、イライラを感じることは一切ありません。
選定時に考えた通り「分解メンテナンス、アップグレードがしやすい。」だろうと思います。

このサイズで欲を言うのは申し訳ないが、著者が「ASRock Desk Mini A300」使うならグラボを使いたい。
Thunderbolt3端子があるとすごくうれしい。ASRock様、Thunderbolt3端子の拡張ボードを販売していただけませんか
(そもそも乗らないかもw)

参考

[1]新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査(2020年4月27日)

[2]IDWR 2020年第16号<注目すべき感染症> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

2020年5月14日木曜日

IME切り替えた際の四角、非表示にする方法 「IME入力モード切替の通知」ON/OFF

従来のWindowsでは、表示されなかった[Microsoft IME(Win10)] 文字入力を切り替えするときに「あ」や「A」が画面中央に表示される。
これは、Windows 10で日本語入力システム(Microsoft IME)のオン/オフを切り替えたり、ウィンドウを選択したりすると、デスクトップの中央に「あ」や「A」の文字(IME入力モード切替の通知)が少し大きく表示されることがある。これは、Windows 10のCreators Update(バージョン1703)で導入された仕様である。

このデスクトップの中央に表示される表示で、現在のMicrosoft IMEの状態が分かる。IMEの入力モードによる操作ミスを防ぐ効果がある。

 しかし、プレゼンテーションやテレビ会議で画面共有の際など、ウィンドウを切り替えるたびに「あ」や「A」が画面中央に表示されるとかっこ悪い、目障りなケースもあるだろう。Snipping Toolで画面を切り取る際、中央に表示されている状態で切り取ってしまい、変てこな資料になってしまうこともあるだろう。

このような場合、この「IME入力モード切替の通知」をオフにしてしまえばよい。その方法を紹介する。

「IME入力モード切替の通知」をオフする手順は2種類紹介します。

その1
①タスクバーのIMEオプションを右クリックし、
②プロパティを左クリックします。

③「IME入力モードの通知」のチェックを外すと「IME入力モード切替の通知」が表示されなくなります。


その2
①設定の「時刻と言語」をクリックします。

②「時刻と言語」の言語を左クリックし、
③日本語を左クリックします。

④オプションを左クリックします。

⑤「Microsoft IME」を左クリックし、オプションを左クリックします。

⑥IME入力モードの通知をオフにすると「IME入力モード切替の通知」が表示されなくなります。

2020年5月11日月曜日

反転増幅回路モジュール

反転増幅回路キット作成の続きです。
前回を見ないでも理解できるように初めから記事を書き直しています。

本基板作製のコンセプト

反転増幅回路は回路設計をしていると嫌でも使用する回路です。
反転増幅回路はそれだけ使用頻度が高い回路とも言えます。この回路を毎回、ユニバーサル基板上に組むのは面倒です。
また、反転増幅回路はゲインを変えて使用することもありますが入力部で調整を行い、ゲインを固定して使用する方が設計的にも簡単です。なので、固定抵抗を使用し、ゲインは固定とします。

作成をする上で、以下のようなルールに則り、基板の設計を行っていきました。

・汎用性(実装部品が小さすぎない使いやすさ)
・小型化(抵抗やコンデンサは1608サイズを使用する。)
・ソケット化(2.54mmの穴にそのまま実装することができる基板にする。)
・面付け(PCBメーカで作成した際同種付けだと基板サイズがある程度のサイズまで値段が同じなのでできる限り多く作る。)

基板作製環境

KiCAD5.1.4(回路作成CAD)

Seeed Fusion(PCBメーカ)

回路図

回路図はKiCAD5.1.4を用いて作成しました。

●特徴
・DIP-8
・オペアンプ(2回路入り)
・電源部ローパスフィルタ(LPF)
・入力保護ダイオード
・入力位相補償
・補償用コンデンサ
・抵抗やコンデンサ(1608サイズ)

2回路入りオペアンプICを使用した反転増幅回路

使用しているオペアンプはDIP-8の2回路入りのものを想定しています。
オペアンプの電源にはローパスフィルタ(LPF)を構成できるようにして電源ノイズの影響を減らせるようにしています。
オペアンプの反転入力に保護ダイオードを入れることで、仮にオペアンプの内部回路にクランプ用の保護ダイオードがないときも基板上でダイオードを追加できるようにしました。
ダイオード以外にも入力端子には抵抗やコンデンサが多数付いていますが、入力位相補償を想定してつけています。
同様の理由でゲイン帰還抵抗に並列で補償用コンデンサを入れることができるようにしています。
使用している抵抗やコンデンサは入手しやすい1608サイズとなっています。

アートワーク(AW)

PCBデータはKiCAD5.1.4を用いて作成しました。

●特徴
・モジュール化
・固定穴(M2)
・GND抜き
・GND-チェックpin
・半田面部品なし
反転増幅回路モジュールのPCBデータ(両面重ね図)

抜き差しが容易にするためモジュール化しなくてはなりません。電子部品のピンの間隔は2.54mmとなっています。2.54mmを基本とします。
四隅の固定穴は小型化をするためにM2となっています。ランドは設けていますが電気的な接続はないです。本モジュールは軽いので使用しなくても問題ないです。
入出力のラインは極力最短で容量が付かないようにGNDは抜いています。後ほど作製した試作基板が出てきますが基板厚は1.60mmなので試作ではGNDを抜こうが抜かないにしても容量の影響は少ないです。しかし、今後、基板を作製する際は薄くする予定です。
GNDチェックpinは一つ設けました。
小型化をする上で半田面に部品を置くことも多いですがモジュール化する上で、他の基板と接続した際半田面に背の高い部品とショートするなどの不具合があると具合が悪いので、部品は半田面に置かないようにしました。


3Dビューア表面(射角確認)


3Dビューアで確認すると以上のようになります。
シルクが重なっていないことや部品実装に問題ない(半田ごてが入れられない)ことを確認します。
自作基板のロゴとかもここで確認しましょう。
本基板のロゴは正直小さすぎたため、基板を製造した際潰れてしまいました。
それでも表のロゴはまだ許容できるぐらいでした。

3Dビューア裏面(垂直確認)

しかし、裏面のQRコードは読めないレベルのものもあったので、今後QRコードのサイズの下限を検討します。

◆参考
KiCADシルク入れ方、レジストはがし方

ガーバーデータ準備

●特徴
・8枚同種面付け
・捨て基板
・コーナー取り
・実装認識マーク
・位置決め穴
・V-CUT
ガーバーデータ準備

Seeed Fusionで基板を作製する際、100x100mmだと最低価格で依頼することができます。今回は8枚同種面付けつけることができました。
捨て基板は10mm幅を100x100mmを超えないように付けました。捨て基板のコーナー取りはR5.0mm程度になっています。
実装認識マークと位置決め穴はなんちゃってなので付けてみただけです。実装依頼をするときの練習に余裕があったのでつけてみました。
8枚同種面付けや捨て基板を切り離すには、V-cutを用いました。

◆参考
V-cut面付け方法(KiCAD)
捨て基板の追加方法
位置決め穴の追加方法
実装認識マーク
コーナー取り

基板製造

基板製造はSeeed Fusionで行いました。

製造パラメータは以下の通りです。
No.項目パラメータ
0
寸法
96.2mm*91.44mm
1
インピーダンス制御
なし
2
表面処理
HASL(有鉛半田レベラー)
3
最小のソルダーマスクマスクダム
0.4mm↑
4
銅箔厚
1oz.
5
端面スルーホール
なし
6
最小穴径
0.3mm
7
レジスト色
8
材質
FR-4 TG130
9
層数
二層
10
製造枚数
5
11
ブラインドビア
なし
12
板厚
1.6
13
最小パターン幅/パターン間隔
6/6 mil
14
異種面付けの種類
1
15
お急ぎオプション
なし
16
ファイル
1375010_2020_2circuit_opamp_2x4_ver30_plot.zip

送料込みで$12.90で5枚。面付けを行っているので40枚作製しました。
しかし、世界がSARS-CoV-2(新型コロナ)で物流が鈍く手元に届くまで普段より2週長く合計3週間かかりました。(普段は1週間もあれば手に入る)

◆参考
KiCAD 発注データの作成

モジュール作製

 自動実装は行わなかったので実際に自分ではんだ付けを行いました。


Seeed Fusionでプリント基板を製造するとこの黄色いエアキャップが内側についている袋で納品されます。
中の基板も保護のためエアキャップで保護されています。
このエアキャップが開けにくく、どこに刃を入れればいいのかよくわからない。中の基板を傷つけないように開けましょう。


 開けたらはんだ付けの前にショートチェックは最低限行いましょう。
1回路分やれば同ロットで生産しているのでチェックとしては充分でしょう。


部品を実装完了しました。
オペアンプ:LM358N
電源コンデンサ:10uF(RD20F106Z1EH5L-10)
パスコン:0.1uF(GRM219F11H104ZA01D)
写真だと抵抗の乗数は見えないですが、右側のゲインは1倍(1.5kΩ/1.5kΩ)左側のゲインは10倍(1.5kΩ/150Ω)にしました。

動作確認

同時期にユニバーサル基板が沢山手に入ったので、モジュール評価用の治具を作成、使用して評価を行いました。

●確認項目
①2.54mmピッチ基板に接続
②電源電圧確認
③モジュールの動作確認

●条件
電源電圧:±10 V
入力電圧:±235 mV
入力周波数:1 kHz

●使用器具
・KENWOOD:PW36-1
・USBオシロスコープ:PicoScope2104

●結果
①2.54mmピッチ基板に接続
→ユニバーサル基板にコネクタを立てて接続に関して問題が見られなかった。

②電源電圧確認
→電源電圧が±10 Vであった。

③モジュールの動作確認
→入力電圧が±235 mV、入力周波数:1 kHzのときの入出力波形を以下に示す。
反転増幅回路モジュール1倍入力波形
反転増幅回路モジュール1倍出力波形
反転増幅回路モジュール10倍入力波形
反転増幅回路モジュール10倍出力波形
それぞれの反転増幅回路は入力に対して1倍、10倍になっていることが確認できた。
だが、出力にゼロクロスが確認された。このゼロクロスはLM358Nが影響している。
基板自体の動作に関しては動作は問題が見られなかった。基板の容量やインダクタンスに関して詳細な性能に関しては測定環境が不足しているので今回は省略する。

◆参考
アマゾンで安価なユニバーサル基板(PY-5cmx7cm)

モジュールデータ作成

今回、反転増幅回路をモジュールとして作製しました。
3Dビューア表面(射角確認)
これをKiCADのフットプリントに登録すると今後ほかの基板を接続する際、設計が非常に容易になります。

◆参考
KiCAD3Dモデルファイル

反省

・シルクが小さすぎた箇所があった。
・固定穴を減らし、部品配置を見直せば10枚同種面付けできたかも。

今後

別の基板を作製してこのモジュールを用いる予定。



2020年5月7日木曜日

コーナー取り

以前、反転増幅回路キットで挑戦したものが上手くいったので次回以降の覚書として捨て基板を用いる際やVカットなどのファイル作成方法をまとめていきます。
本記事では基板のコーナー取りをする理由についてです。

作成環境

・KiCAD5.1.4
・Seeed Fusion

コーナー取りとは?

基板の角は直角だと鋭く手に突き刺さってけがをすることがあります。
基板同士を接続する際基板の角に基板を当てて基板を傷つけてしまうこともあります。

そこで、基板のコーナー取りをすることが求められます。



上の図のように無加工、C面取り、R面取りにします。

基板のコーナー取りには、以下のようなメリットがあります。

①基板を取り扱う際の、使用者への怪我を防ぐ。
②基板製造時、部品実装、使用時に、他基板やモノの破損を防ぐ。
③搬送ラインに引っかからず、基板、部品の損失を防ぐ
④運送時の衝撃、振動による基板の欠けや梱包材の破損を防ぐ


Rが小さいと上記の事象を防げない場合があります。
したがって、Rを大きめに付けましょう。
一般的にR5.0mm程度を推奨されています。
捨て基板、製品基板ともに、コーナーにはRをつけるようにしましょう。

◆参考

・失敗しない製造データのポイント 品質安定編

2020年5月6日水曜日

実装認識マーク

以前、反転増幅回路キットで挑戦したものが上手くいったので次回以降の覚書として捨て基板を用いる際やVカットなどのファイル作成方法をまとめていきます。
本記事では実装認識マークについてです。

作成環境

・KiCAD5.1.4
・Seeed Fusion

実装認識マークとは?

位置決め穴とは、プリント基板に部品を実装する際実装機は揺れなどで基板がずれてしまいます。それを防ぐために、プリント基板を固定する「クランプ台」に固定する穴のことを位置決め穴といいます。
位置決め穴には『基準穴』と『副基準穴』があり、プリント基板に設けた『基準穴』と『副基準穴』を用いて位置決めを行います。
基準ピンはプリント基板を傷つけないように、先端が球面になっています。また、基板を突き抜けないように球面の下はプリント基板の穴径より大きくなっているのが一般的です。

実装認識マークの追加方法

今回は練習なのでなんちゃってですが、実装認識マークとなります。

実装認識マークは捨て基板上に配置します。
捨て基板の幅は10mmなので角から5mm-10mmの地点に実装認識マークが来るようにします。
また、表裏の認識もできるようにすることを仮定して、両面にマークを配置します。

始めにフットプリントの追加をします。
表面には、"Fiducial_Modern_CopperTop"を配置します。
裏面には、”Fiducial_1mm_Dia_2.54mm_Outer_CopperTop”を配置します。
Fiducial_Modern_CopperTop

Fiducial_1mm_Dia_2.54mm_Outer_CopperTop

以上の実装認識マークを表裏それぞれに配置して完了です。
今回は捨て基板上に配置しましたが、捨て基板がない場合も同じように製造する基板上に配置しても問題ありません。
また、実装業者によって指定があることも想定して、実際に基板設計を行う際は各メーカの指示に従ってください。


◆参考

※設計依頼する際は以下も参考にして下さい。

・認識マークについて:自動実装における基板設計

2020年5月5日火曜日

位置決め穴の追加方法

以前、反転増幅回路キットで挑戦したものが上手くいったので次回以降の覚書として捨て基板を用いる際やVカットなどのファイル作成方法をまとめていきます。
本記事では位置決め穴についてです。

作成環境

・KiCAD5.1.4
・Seeed Fusion


位置決め穴とは?

位置決め穴とは、プリント基板に部品を実装する際実装機は揺れなどで基板がずれてしまいます。それを防ぐために、プリント基板を固定する「クランプ台」に固定する穴のことを位置決め穴といいます。
位置決め穴には『基準穴』と『副基準穴』があり、プリント基板に設けた『基準穴』と『副基準穴』を用いて位置決めを行います。
基準ピンはプリント基板を傷つけないように、先端が球面になっています。また、基板を突き抜けないように球面の下はプリント基板の穴径より大きくなっているのが一般的です。

位置決め穴の追加方法

今回は練習なので副基準穴はなく基準穴だけです。


今回は捨て基板上に配置します。
捨て基板の幅は10mmなので角から5mm-5mmの地点に基準穴が来るようにします。


始めにフットプリントの追加をします。
基準穴に、パットがあるとはんだ層に流した際、半田が乗ってしまうのでパッドなしの"MountingHole_3.2mm_M3_ISO14580"を今回は使用します。

これを捨て基板の四隅に配置して、位置決めの基準穴の配置は完了です。
今回は捨て基板上に配置しましたが、捨て基板がない場合も同じように製造する基板上に配置しても問題ありません。
そもそも、自動実装をしないのに配置したので完璧に意味のない穴になっていますが、、、


2020年5月4日月曜日

捨て基板の追加方法

以前、反転増幅回路キットで挑戦したものが上手くいったので次回以降の覚書として捨て基板を用いる際やVカットなどのファイル作成方法をまとめていきます。
本記事では作成した基板へ捨て基板の追加方法です。

作成環境

・KiCAD5.1.4
・Seeed Fusion

捨て基板とは?

捨て基板とは、その名の通り、最終的には破棄される部分です。
具体的には、作製した基板の外周にVカットやミシン目などを用いて設けられている基板のことを指します。

捨て基板は別の呼び方として、捨て板や耳とも呼ばれます。
英語ではBreakaway PCBだったりBreakaway PanelだったりMouse Bites PCBで調べると捨て基板に関する検索結果が出てくるので詳しい内容を知りたい際はそのような方法で検索してみても面白いです。

基板製品の外周に捨て基板を設けることによって、基板面積が増えるのでコストが上がるというデメリットはありますが、工具等にぶつけた際保護の役割をしたり、自動実装の際は基板端まで実装が可能となるメリットがあります。

捨て基板の追加方法(KiCAD)

上下左右への捨て基板の追加が厳しい場合はマウンター実装を考慮して基板の長手方向に捨て基板を設けるのが一般的です。また、形が変わった基板(円形基板等)では捨て基板を充分に設けるのが一般的です。
捨て基板の幅は通常5mm~10mmです。自動実装を考慮すると10mmぐらいにすることをお勧めします。


まず、もととなる、PCBレイアウトエディタのファイルを準備します。
基板外形で捨て基板の領域を追加します。
追加した捨て基板を最終的に切り離すことができるように、
V-cutsを捨て基板にも追加します。

追加すると以下のようになります。
(※画像は位置決めや認識マーク、Rに関して追加されてます。次回以降解説します)

作成した基板の品質を上げるためになるべく捨て基板を設けましょう。

2020年5月3日日曜日

V-cut面付け方法(KiCAD)

以前、反転増幅回路キットで挑戦したものが上手くいったので次回以降の覚書として捨て基板を用いる際やVカットなどのファイル作成方法をまとめていきます。
本記事では面付け(V-CUT)の方法です。

作成環境

・KiCAD5.1.4
・Seeed Fusion

V-cutとは?

プリント基板製造後に切り離すためのV字型に入れた溝のことをV-cutと呼びます。
主に、捨て基板の切り離しや面付けの切り分けに使用されます。
V-cutを行うことで、複数の基板を1枚の基板上に面付けし、
手で基板を折り曲げる事で切り離せます。
V-cutは一般的に0.5mmほどの幅となります。
PCBを作成する際幅に注意して、基板設計をしてください。
(各PCBメーカの製造仕様書も参考にしてください。)
また、Vカットは基板端面から端面まで一直線に入れることしか出来ませんので、基板面付けの際にお気をつけください。

V-cut面付け方法(KiCAD)

まず、もととなる、PCBレイアウトエディタのファイルを準備します。
(任意の場所に保存して下さい。)

①PCBレイアウトエディタのコピー

次に、スタートからKiCADのPcbnewを起動します。
(※KiCADからPcbnewを起動しないこと)

Pcbnewが開いたら、左上のファイル>開く(O)...から先ほど任意の場所に保存したファイルを開いてください。
開いたら本ファイルを任意の場所に保存してください。
保存したら、本ファイルで面付ファイルを作成していきます。


面付をするために作成したPCBレイアウトエディタをコピーしていきます。
PCBレイアウトエディタを全選択して、右クリックして、"配列の作成..."を選択します。



作成した基板の横方向を"横(X)方向の間隔"
作成した基板の縦方向を"縦(Y)方向の間隔"
横方向、縦方向それぞれ面付したいかずに合わせて"横(X)方向の数"と”縦(Y)方向の数”にそれぞれ入力します。
入力が完了したら、"OK"をクリックします。


OKすると以下のようになります。
このままですと、外形定義に問題があるので、内側にある外形を消す作業をして下さい。
消す作業する際、右にあるレイアウトマネージャーでEdge.Cuts以外は全て非表示にすると楽です。

本作業に不備があると、3Dビューアで"基板外形が決定できません"と出ます。

本作業が上手くいったら 3Dビューアでは警告がでないで表示されません。

②V-cut追加

各PCBメーカによって異なります。
ここではSeeed FusionでのV-cutのやり方についてです。

Silk.S(3Dビューアで確認するため表裏両方)層に図形ラインで
V-cutを追加したい場所に線を追加します。
線を引いた場所にテキストでV-cut LINEと入れます。


V-cut LINEを追加しておけばPCBメーカで処理をしてV-cutされた基板が作れます。


◆参考

※設計依頼する際は以下も参考にして下さい。

・面付けルールとVーCUT

・V-cutの指示を入力できない